■ アイビー(日一)
雪の降る日は
少しだけ気持ちが落ち着くような…沈むような
やるせない気持ちになる
身を刺す外気は
心の闇を戒めるように
背筋を伸ばしてくれる
雪の日は嫌いじゃない…ただ好きだとも言えない
「隊長~一緒に行きましょうよ~!」
「俺は行かねぇぞ。」
「修兵と恋次とイズルと~…。」
「だから行かねぇって。」
「京楽隊長と七緒も誘いますから~…そうだっ十三番隊におしかけましょっか?」
「病人の横で騒ぐな…迷惑だろうが。」
「えぇ~ここ最近、床に伏せってるんだから騒いだ方が楽しいじゃないですか~。」
とにかく行かない…と松本を追い出す
松本が執務室を退室したとたん
雪の降る音が聞こえるほどの静けさがやってくる
普段、どれだけ騒がしいんだ…
アイツ一人で何人分になるだろう?
などと思いをめぐらせる
特に急ぎの仕事は無いが
なんとなく執務室に居座る
白い色で世界が埋め尽くされていく
+++ +++ +++
「おーい!恋次~っ。」
「お?一護じゃね~か。どうした?」
「あ?浮竹さんが病気だから見舞いに来てやってくれって京楽さんに誘われた。」
「一護じゃな~い。アンタも十三番隊に行くとこ?」
「めずらしいな、お前がこっち来てるなんてよ。」
「あぁ~、まぁな。っつか寒くね?雪降ってるなんて知らなかったぜ。」
尸魂界ではめずらしい男が居る事に少なからず驚きながら
皆、快く出迎える
剣を交え、真剣に戦っていた事が夢のようだ
「あ、そ~うだっ。一護、アンタ隊長連れて来てくんない?」
「はぁ?冬獅郎を?何でだよ??」
「だって人数は多いほうがいいじゃない?浮竹隊長も喜ぶと思うし…ね!」
「…まぁ、いいぜ。」
「よしよし、んじゃ~よろしくね。」
「…ってかさ…十番隊ってどっち?」
「この道まっすぐよ。」
指差された道を見やる一護
さっさと立ち去った先を一度振り向いて
また指差された方を向く
「…道…あんのか?」
道は降りしきる雪に埋もれ見えなくなっていた
+++ +++ +++
執務室で何をするでもなくボーっと外を眺める
チラチラと舞っていた雪は
今はボテボテと音がするような大きさになっている
「お、いたいた。冬獅郎、探したぜ。」
「…黒崎。こっちで何してる?」
「あぁ、浮竹さんの見舞い。冬獅郎も行こうぜ。」
「松本か…。俺はいい。」
「なんだよ、つまんねぇ顔してんな。」
遠慮もなくズカズカと執務室に入り込んできた
鮮やかな色に少なからず驚きを覚えたが
その口からこぼれた言葉に部下の顔が浮かぶ
使われてんじゃね~よ、お前も…
「一人で面白そうな顔してる方が不気味だろうが。」
「ん~…っつか、冬獅郎が面白そうな顔してんのなんて見たことねぇけどな。」
「日番谷だ、名前で呼ぶな。」
「いいじゃね~か、友達だろ?」
いつから、お前と俺は友達になったんだ…
と言ってやりたい所だが
だったら何だ?と聞かれたらなんと答えていいのかわからない
世界を真っ白に染め上げていく雪の冷たさが
コイツの存在一つで温かみを帯びる
心を占めていた闇が
光に触れるように…
目が合えば、ニカリと邪気の無い笑みを簡単によこすコイツに
俺が癒されているだなんて
言ってやるつもりはないが…
降りしきる雪が止まなくてもいいと
そう思ってる俺を否定するつもりもなくなっていた
__________
12月20日
誕生花:アイビー
花言葉:友情・死んでも離れない
(知らなかったのに…12/20は日番谷くんの誕生日だそうなので…ん~日一未満て感じだな)
☆Happy Birthday Toushirou Hitsugaya☆
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