きまぐれ

きまぐれに書き散らすところ。

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misunderstanding(アサ菊)

ワイワイと騒ぐ声を後ろに聞きながら菊は縁側で月を眺めていた。
少しお酒を過ごしてしまい火照ってしまったのを醒まそうと縁側に出た。
そうしたところ、思いの外美しく光放つ月を見つけたのだ。

菊の誕生日を祝うという事で始まったパーティは時間が過ぎるうちにただの大騒ぎとなっていた。
そうなる事はわかりきっていたので特に気にも留めず騒ぎたいようにさせておく。
幸い菊の家は庭が広いため、そうとうでなければご近所から苦情はないだろう。

ふぅと息を吐き出して月を見上げる。
まんまるでもなければ痩せてもいない中途半端な月。
その光は淡くこの地上を照らしている。

「あ~アル寝ちゃってるよ~?」

後ろでフェリシアーノのそんな声が聞こえた。
どれ、寝床の準備でもしてきましょうか・・・と立ち上がろうと縁側に手をついた。
手をついた縁側は冷たくて固いはずなのだが菊の手に伝わる感触は温かく柔らかいもの。
え・・・?と横を見やると少々胡乱な目つきでアーサーが膝を抱えていた。

「・・・あの?」
「俺はずっとココに居たのに、お前全然気づかないんだもんな」
「え・・・そうだったんですか・・・すみません」

菊がそう返すと、ムスっと拗ねたように視線を逸らしながらも菊の手をぎゅうと握る。
菊としては布団を敷きに行こうと思っていたところだったため
困惑しながらも、やんわりと手を離そうと試みた。

「あの・・・アルフレッドさんが寝てしまったみたいですので、布団を・・・」
「あんなヤツこたつで十分だ。・・・ここに居ろよ」
「でも・・・風邪をひいてしまいます・・・」
「風邪ひいてるくらいがおとなしくて丁度いい」

プイといまだそっぽを向いて、拗ねているアーサーに菊は困ったな・・・と気づかれないようにため息を吐く。
これは・・・アルフレッドもそうだがアーサーも酔っているな・・・と菊は判断し少し強硬手段に出る。

「アルフレッドさんが風邪をひいたら、私も貴方も大変ですよ?」
「・・・まぁ・・・確かにそうだけど。アイツの方を優先するなんて気に入らない」
「アーサーさん・・・酔ってますね・・・?」
「酔ってねーよ」

お酒に酔っている人ほど酔っていないと言い張るものだ。
アルフレッドの事はあちらでどうにかしてくれていれば菊は此方の酔っ払いに専念できるのだが・・・。
如何せん世の中そう上手くはいかないものだ。
あれほどお酒はダメですよと言い含めたのにも関わらずお酒を飲んで寝てしまったアルフレッド。
どうやら日頃の鬱憤か、はたまたただのじゃれ合いか寝てしまったアルフレッドはいいように遊ばれている。

「寝てれば可愛い顔してるのに・・・起きてるとうるさいし面倒くさいし、お兄さん面倒見切れないんだよね・・・ん~落書きとかしちゃう?」
「おもしろそ~兄ちゃん、落書きしちゃお~」
「やめてやれ、フィー。フランシスも・・・」
「だぁ~ってこのクソ可愛くないので遊べる機会ってそうそうないぜ?」
「お前にしては、なかなか良い事言うアルな!我も書く!」
「フフっ・・・じゃあ、僕はカメラの準備でもしておこうかな。恥ずかしい写真・・・今後何かに使えるかもしれないしね」
「いいねいいね~。じゃあ脱がして腹にも描いちゃおっか?」
「ヴェ~!プニプニのキャンパスだ~おもしろ~い」

ダメだ・・・全員酔ってる・・・。
菊は後ろから聞こえてくる楽しそうな策略に頭を抱えたくなった。
かろうじてルートヴィッヒが正気を保っているようだが周りが全員酔っ払いではどうしようもない。
しばし考えて菊は諦めた。

(フランシスさんとフェリシアーノ君なら芸術的な落書きをしてくださるでしょう・・・)

なんだか的外れな納得の仕方でアルフレッドの救出を断念した菊もまた少々酒にのまれているようだ。
とりあえず、後ろの騒ぎを切り捨てた菊は一つ息をして、いまだそっぽを向くアーサーに視線をめぐらせる。
どうしましょうね・・・と思案顔をしてからアーサーが握る手をギュっと握り返した。
菊の手に握り返され、ビクっと肩を震わせたもののアーサーの顔は動かない。

「アーサーさん・・・?」
「・・・俺は怒ってるんだからな」

そんなアーサーの返答に、拗ねているの間違いでしょう・・・?と思いながら菊は苦笑を洩らす。

「では、どうしたら許してくださいますか?」
「俺のことを・・・好きだって言ったら、許してもいい・・・」
「・・・そんな恥ずかしいこと言えません」

そのアーサーの言葉に、これは完全に酔ってるな・・・と再確認してしまう。
普段のアーサーなら言って欲しいと思っていても自分から催促などするような事はしない。
菊としても、いくら酔いが手伝ってもなかなか口にできる言葉ではなかったので拒否の言葉を返す。

「こ・・・恋人同士なんだから・・・そのくらい、いいだろっ」
「・・・私には言わせようとするくせに、貴方は言わないおつもりでしょう?」
「そっ・・・そんな恥ずかしい事言えるかっ」
「ほら、私だって恥ずかしいですよ」

はたから見ればただのバカップル問答なのだが・・・
酒にうかされた二人がそれに気づくのは難しかった。
菊はとりあえず、アーサーの機嫌を窺うのを諦めて手を握り合ったまま、また月を見上げる。
淡い月の光は、心まで優しくしていくようで心地いい。
フとアーサーを窺うと、菊と同じように月を見上げていた。

「(あぁ・・・今宵は)・・・月がきれいですね」

そう呟くように零した菊の言葉に、アーサーはハッとした表情で菊に振り返る。
その顔は真っ赤に染まっていた。
異常なまでのその反応に菊が少し引いていると
アーサーは菊と繋いだ手と反対側に携えていたグラスを一気にあおった。

「・・・俺もだ」

グラスに半分ほど残っていたウィスキーを一気に流し込み勢いをつけて
アーサーが返したその返答はなんともかみ合わない返事。
思わず、何がでしょうか?と聞き返そうとアーサーに向き直った菊。
その視界いっぱいに見えたのは迫り来るアーサーの整った顔立ちだった。
いきなりの事になんの対処も出来ず重なる唇・・・。

「・・・んっ・・・」

漏れ出るような吐息もろとも貪るような口付けも、意味不明な先ほどの応答も
酒の入った頭では許容範囲をゆうに越してしまって対処することは難しく
菊は必死に縋りつくようにしながら息をするだけで精一杯になってしまう。
ぐるぐると目が回るように脳がショートしてしまっている。

「・・・あのさ~・・・俺たちも居るの忘れてないよね~?」

いつまでも続くかに思われたソレにストップをかけたのはフランシスの呆れた声だった。
フランシスはガバっと身体を離して赤い顔で俯くアーサーにニヨっとイタズラな笑みを見せる。
そしてそのままの表情でいまだ混乱している様子の菊へと視線をめぐらせた。
そんなフランシスの後ろでフェリシアーノがアーサーってばケダモノ・・・
と呟いたがルートヴィッヒに首根っこをつかまれるようにして部屋に連れ戻された。

「もしかして、菊ちゃんも酔ってる?」
「ひゃっ・・・い、いえ・・・えっと・・・お見苦しい所を・・・」
「う~ん・・・何?コイツまた酒で理性なくしちゃった?」
「・・・さっきまでは普通でしたが・・・そうなのでしょうか・・・?」

菊が状況を理解していない様子なのを察したフランシスがどうやらおかしいぞ・・・と二人を交互に見る。
二人がお付き合いをしているのはアーサーから耳がタコになるくらい聞かされて知っているが
どうやら恋人同士の睦みあいとは違うようだった。
また・・・酒の勢いだけで無理やりか・・・?と疑ってアーサーを見ると
アーサーはそんなフランシスを睨んで言う。

「違うっ!」
「じゃあ、なんなのよ・・・。菊ちゃん混乱してるみたいだけど?」
「あ・・・あんな事言われたら、OKだと思うだろっ!」
「菊ちゃん、何言ったのよ?」
「え・・・?アーサーさんも月を見上げていらっしゃったので、きれいですね、と・・・」

その菊の言葉に菊とフランシスは揃って首をかしげた。
それがどうしてこうなった・・・?と疑問符を浮かべているとアーサーが口を開く。

「月がきれいだって言ったから、俺もそうだって言ったんだ」
「え・・・うん、ごめん。お兄さん文脈がわかんないんだけど?」
「あ・・・愛してるって、意味だろ!?」
「「・・・・・・・・・」」

えぇえええ?何時の時代の話ぃぃぃい??
そう叫ばなかった二人はさすが年長者と言うところだろう。
菊は一つ咳払いしてアーサーに向き直る。

「アーサーさん・・・現在では私達のところでその訳は用いませんよ・・・」
「そ・・・そうなのか・・・?」
「はい。それにその訳は、何と言いますか・・・比喩的なものであって、言うなれば二次元的なと言いますか・・・普段使うものではありません」
「じゃ・・・っ、じゃあ・・・迷惑だったか?」
「あ・・・えっと・・・。・・・迷惑ではないですが・・・あの、時と場合をですね・・・」
「じゃあ、嫌じゃなかったんだな?」
「は・・・はい・・・。嫌では・・・なかったですが・・・驚いて・・・」
「じゃあ、もう一回してもいいよな?」
「は・・・?・・・だから、時と場合を・・・」
「俺の事、嫌いじゃないなら・・・いいよな?」

完全に酒によって飛んだ表情はギラギラと強い瞳に捉えられるかのようだった。
フランシスに助けを求めるように視線をめぐらせば
君子危うきに近寄らずとでも言うようにすでに逃げるところだった。
それでも視線で助けてください・・・と見つめるとフランシスは室内から障子に手をかけて言う。

「うん、ごめんね。ココ閉めとくから!」

パタンと障子が閉められアーサーと二人取り残された。
ひえぇえええ・・・と後ずさる菊の腕をガシっと引き止めるようにアーサーが掴む。
それでも逃げようともがくと、一瞬アーサーが悲しそうな表情をした。
あ・・・とさすがにこんなに逃げては申し訳ない・・・と菊が逃げるのを躊躇うと
ニヤと悪い笑みを浮かべたアーサーに腕でなく身体ごと捕まってしまった。

迫り来る極悪な笑みを刻むアーサーの顔・・・。
もうダメだ・・・と菊が覚悟を決めて受け入れ態勢に入る。
唇が触れ合った瞬間に障子ごしにフランシスの声がした。

「菊ちゃん、貞操の危機になったら叫んでね~。お兄さんさすがに助けに行くから」





__________
はい、誕生日おめでと小咄のその後。アサ菊でした。
題名は勘違いという意味です。
はい、そのまんまですね。
アーサーが切羽詰るあまり都合のいいように勘違いしたんですね。
ツン→→デレすっ飛ばして→→ケダモノみたいなアーサーですみません。
お酒の席ですもの、仕方ないですね。
縁側でお前ら何やってんだ・・・っていうツッコミは私がしときました。
ゆるしてやってください。
お酒のせいですよ、全部。・・・ね!

なんだか久々にチューシーンを書いたなぁと・・・
マジでココ最近なかったからねぇ・・・清いなぁ、私。
・・・そんな疑いの目で見ないでくださいよ・・・清くないですよ、わかってますよ。
実際、これもはじめR指定になりそうだったなんて・・・言わなきゃわかんないですよね☆







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It's special day(菊誕)

昼過ぎにまず現れたのはフェリシアーノとルートヴィッヒだった。

「菊~!」
「突然すまない」
「お二人ともお揃いで、どうされたんですか?」

フェリシアーノは時にいきなり訪問する事もあったが、ルートヴィッヒが事前連絡なしに訪問するなど初めての事で菊は幾分驚いた顔で出迎える。
家の中に案内しながら、窺うようにルートヴィッヒを見れば、少し申し訳なさそうに微笑まれた。

(そんな顔をされては・・・何だか此方の方が申し訳ないですね・・・)

菊も、その笑顔に答えるように微笑み返してこたつを勧める。
立春を過ぎたとは言え、まだまだ寒い。
温かいお茶でもお持ちしますねと断りを入れて台所へ向おうとした所、再度来訪のベルが鳴った。
おや?と首をかしげながら少々失礼しますねと玄関に向う。

「菊!ハッピーバ・・・―ムゴガッ!」
「菊ちゃんいきなりごめんね~遊びに来ちゃった」
「久しぶりだな」

玄関先にはアルフレッドとフランシスとアーサー。
開口一番何かを言おうとしたアルフレッドの口をグイっと塞ぎながら笑顔で片手を挙げるフランシス。
そして、少しそっぽを向きながら薔薇の花束を差し出すアーサー。
今日は皆さんどうしたんでしょう?というように小首を傾げつつアーサーから花束を受け取って菊は三人を招きいれた。

「他にも誰か来てる?」
「あ、はい。先ほどフェリシアーノくんとルートヴィッヒさんが・・・」
「そっか~。やっぱ仲良しだね~」

玄関に置かれた菊のものとは違う靴を目ざとく見つけて訪ねるのはフランシス。
隠す事でもないので菊も正直に答えを返す。
そんな二人の後ろでコソコソと声を潜めて話す兄弟はいつになく仲睦まじく見えた。

「お前、バカだろ・・・サプライズにしようって言ったのはお前だぞ?」
「そんな事言って、アーサーだってさっきのプレゼントじゃないのかい?」
「アレは土産だ」

会話の内容を知る由もない菊は仲良さそうな二人を見て微笑む。
三人をフェリシアーノとルートヴィッヒの待つ応接間に通した後、お茶を出してから菊はフと立ち上がる。
どうかしたのか?といぶかしむ皆だったが菊が部屋を後にした事で計画の打ち合わせに入った。

「も~お兄さん、さっきはヒヤっとしたよ」
「え~?何があったの?兄ちゃん」
「コイツがさ~玄関先でハッピーバースデーとか言おうとするもんだから」
「アルフレッド・・・サプライズがいいと言い出したのはお前だろう?」
「仕方ないだろ~菊の顔見たらすぐにでもお祝いしたくなっちゃったんだからさ」
「コイツはバカだからな。俺等が一緒でよかったな」
「って・・・お前の花束もお兄さんはヒヤっとしたんだけど?」
「アレはただの土産だ。ココを訪ねる時はいつも持って来てる」
「・・・いつもっていつも?・・・アーサーって、キザだねぇ」
「お前も普段そうとうだと思うぞ、フィー」
「えぇ~?普通だよ?ルーイが固すぎなんだよ」
「まぁ、バレなかったみたいだからいいんだけど・・・。で、どうする?」

そうフランシスが声を潜めたところで菊が先ほどアーサーに渡された花束と花瓶を手に戻った。
その花瓶を見てルートヴィッヒが少し瞳を見開く。

「本田・・・それは」
「はい、以前ルートヴィッヒさんに頂いた花瓶です」

柔らかく微笑んで板の間にその花瓶を置くと薔薇を一本一本挿していく。
ヴェ~・・・とフェリシアーノは言葉にならない声を発して菊の肩口から手元を覗き込んだ。

「もしかして、菊・・・もう全部わかってたりする?」
「知りませんよ・・・と言った方がいいのでしょうが・・・」

少しイタズラっぽく微笑んで菊は皆の顔を見た。
あ~やっぱりと呟くのはフェリシアーノ。
少し苦い顔で菊を見つめるルートヴィッヒ、何が?とぽかんとするアーサー、アルフレッド、フランシス。
あまりに面白い光景に菊は堪えきれず噴出した。

「え?・・・お兄さんちょっとついて行けてないんだけど?」
「俺もだぞ!何がどうなったんだい?」
「フフッ・・・この花瓶、何年か前の私の誕生日にルートヴィッヒさんが下さったものなんです」
「・・・っつーことは、何で俺達がお前を訪ねたのかを知ってるって事か・・・」
「はい。あぁ、でもそれは事前情報があったからですけど」
「事前情報?」

ルートヴィッヒが訝しげに聞き返せば、菊は薔薇を挿し終わった花瓶を一度見つめてから皆に向き直る。
やはり、西洋のお花には西洋の花瓶が似合いますね・・・と思いながら。

「昨夜、王さんに誕生日プレゼントは何がいいか聞かれましたので・・・」
「・・・バラしやがったのかよ・・・、あのバカ」
「バカとか言うヤツがバカアヘン!我は可愛い弟に欲しいものを聞いただけアルよ」
「あまりに必死に聞いて来るので何故だか言うまで答えませんと言ったら、教えてくださいました」
「王くんは本当に本田くんに弱いね。少しは反省して一割くらい僕のものになるってのはどう?」

勝手しったるという様子で応接間に入ってきた件の人物がビシィっとアーサーに指を指しながら大声をあげる。
慣れた様子でいらしてたんですねと座布団を勧めながら後ろから付いて来ていたイヴァンのコートを預かる。
イヴァンのいつもの自分勝手な提案に顔を顰めはするものの、今日の菊は終始笑顔だった。

そのままの流れでパーティになる応接間には皆が持ち寄った食べ物やお酒が並んだ。

「じゃあ、改めて・・・。菊、お誕生日おめでとう!」

フェリシアーノのその言葉でグラスを交える。

「ありがとうございます」

菊の言葉と笑顔に皆の顔にも笑顔が。
生まれた日を祝われるのは嬉しいもの。
どんなに年を重ねても・・・いや、年を重ねるほどに嬉しさは大きくなっていく。





__________
さて・・・ギリギリアウトな時間帯でスミマセン。
とりあえず、お菊さんお誕生日おめでとぉ~!!
その後のアサ菊を考えてるのでこの後でUPしま~す。







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イカロスと大空 1(ユニ→ツナ)

いつだって、人々が夢見るのは大空
大空を自由に飛ぶ鳥を羨むのは自然の摂理
それがただの無い物強請りだとしても
それだけに留まらないのが人間という無駄に知能の発達した生き物

しかし

翼を手に入れたモノの末路
神は人としての範疇を超えたモノを許しはしない
そう、それはかの神話のように・・・
きっと最期には地に落ちる運命





「・・・」

ユニは手元の書簡に目を落とし嘆息した。
その書簡の入っていた封筒にはボンゴレのエンブレム、そして温かいオレンジ色の炎。
その炎に熱はないながらも、触れれば心に温かなものを運んでくれる。愛しい炎。

10ほども年の違う許婚はまだ顔をあわせた事のない人ながら
その人柄はたびたび届く書簡からうかがい知る事が出来る。
ファミリー間の淡々とした情報共有や決定事項の連絡が書き連ねられた書簡。
その最後に必ず彼の直筆でユニへの言葉があった。
時にそれは労いだったり、心配してくれていたり、お礼の言葉だったりした。

それ以前にボンゴレ10世と言えばこの世界でその名声が聞こえてこないはずもない。
母に縁談を聞かされた時から淡く灯った恋の炎はきっとこんなオレンジ色だろう。
優しくて気高くて、どこか激しくて・・・温かい。
ユニの心を温かくするのも、氷のように冷たくさせるのもこの炎だけだった。

夢にまで見た許婚との出会いはすでにかなわぬものだと
心にポッカリ開いた穴は隙間風を吹き込んできていた。
ボンゴレ10世が亡くなったという情報は彼を葬ったと言うミルフィオーレからの情報だ。
ボンゴレからの情報を合わせて見ても、それは真実だという証拠が重なるだけ。
少し困ったように微笑む彼の写真は余計に心を凍らせるようでしばらく見ることもできなかった。
しかし今、ユニは手元の書簡ごしに自分のデスクに置いた写真立ての中で変わらず微笑むその笑顔を見つめる。
心が全く冷えないわけじゃない。
それでも心に灯る熱は希望という名の炎。

ユニの手元の書簡は彼が亡くなったと聞いた後に届いた彼からの最後の書簡。
その大部分は代わり映えのしないファミリー同士の内容。
しかし、その最後にあった言葉はユニの心に決意を抱かせるに十分な言葉だった。

『諦めないで、俺も諦めない。』

その書簡に灯るオレンジの炎にそっと触れるか触れないかの距離で手をかざし
デスクの上の写真の少し困った笑顔を見る。
そうしてから瞳を一度きつく閉じ、ゆっくりと瞳を開く。
瞳の裏に映るのはいつだって少し困った笑顔と温かい色の炎であるように
自分で暗示をかけるつもりで・・・。

「・・・γ」
「はい、姫。お呼びですか?」
「ミルフィオーレに向かいます」
「・・・なっ!正気ですか?」
「決めたの。じきに状況は変わります。私は逃げない」
「・・・、かしこまりました」


自警団が義賊となり、長い歴史の中で血も涙もないマフィアとなった
ボンゴレの歴史はリボーンから聞いて知っていた。
彼が背負うのはそのボンゴレという組織の光と闇の歴史。
それだけでも大層な重荷だという事は想像するまでもないし
実際、ユニと同じ年くらいの頃は背負う事を拒否していたと聞いている。
しかし、ボンゴレ10世である彼はユニまでも背負ってくれた。
自警団を設立した初代と外見だけでなく内面も似通っているという彼は
今、この世界すら全て一人で背負おうとしている。

アルコバレーノが焦がれるのは澄み渡った大空。
力あるリングは持ち主を映す鏡となり得る。
負を蓄積しすぎたマーレリングに助力する気にならないように
澄んだままのボンゴレリングに恋に似た焦がれた気持ちになる。
虹は澄んだ大空にこそ相応しい光の芸術なのだから。





__________
お久しぶりです。
こんな挨拶ばっかりでスミマセン。
白→ユニでユニ→ツナな一応基本NLのシリーズです。
いやぁ・・・白蘭さんの翼がね・・・生えた瞬間にイカロスの翼がピンときたので・・・
あの子最終的に驕りすぎて自分の力で自滅する系かなぁ~と。
イカロスが焦がれた自由も大空ですからね。
そんな感じのイメージで書き始めてみました。
そんなに長くは続かない予定ですが・・・うん、たぶん。

ジャンルMIXの方も、ハトアリパロのもう一個も書きたいので
サクサク完結・・・できたらいいね☆

あぁ・・・最近『戦国☆パラダイス』という携帯ゲームにハマってます(苦笑)
因みに只今、私は伊達の殿にお仕えしております。
他にも徳川家康殿とか真田幸村殿とか石田三成殿とか本多忠勝殿とか宇喜多秀家殿とか島左近殿とか沢山の武将にお仕え出来るんですけどね。
まぁ、所謂育成系のヤツです。
主君を変えることも可能なんですが・・・
変えようとしてみたら殿に激しく引き止められたので笑ってしまいました(笑)
秀吉亡き後・・・的なことを殿が言うので、たぶん関ヶ原あたりって事なのかと思います。
っつーわけで伊達軍なので、私は東軍です。
殿も好きですが、私をメロメロにしたのは私の伝令君。
ポイント使ってするガチャで当たった伝令君がもう好みすぎて・・・!
殿とは反対側の目に眼帯してるガタイのいい強面のいい男なんです。
「カイ様、主君より命が来ております」とかマイページに居るもんだから頬が緩む。
殿<<<伝令君くらいの割合で伝令君にメロメロです。
いや、殿は殿で好きですよ?
しかし私の中の伊達クンのイメージがヘタレなのが・・・ね。
だって・・・ちょいとヘタレな逸話が結構あるんだもん、ウチの殿。







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