きまぐれ

きまぐれに書き散らすところ。

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お歳暮(骸ツナ)

黒曜ヘルシーランド
その廃れた施設は町の人々に忘れ去られた暗黒の楽園

そこに足を運ぶ人間は今やもう居ないに等しい
それどころか、きっとココにこんな施設があった事さえ忘れ去られていることだろう
そんな廃墟に一人の少年が足を踏み入れた

「こんにちわ…髑髏?居る?」
「…ボンゴレ。」
「あ、えっと…千種さん。髑髏は居ますか?」
「知らない。」

そのジメッとした空間に昼の光を纏っておずおずと現れた少年
綱吉の腕には何やら重そうな包みが提げられていた

入ってすぐに会えた帽子とメガネの細身の男に少々躊躇いつつも声をかけるも
そっけない対応には居たたまれないし会話も続かない
仕方がないと諦めてそのまま奥へ足を進める

「ボンゴレっ…こんなトコで何してんら?」
「あ、…えっと犬さん?髑髏居ませんか?」
「ブス女ぁ?知らねっ。」
「ん~…困ったなぁ。」

言葉通りの困り顔でその場に立ち尽くす
その綱吉の持つ包みに気が付いた犬はクンクンと匂いを嗅ぎながら訪ねる

「ソレ、なんら?食いモンの匂いがするビョン。」
「え?…お歳暮ですよ。食べ物じゃなくて飲み物だけど…。」

綱吉が持っていたのは良くあるお歳暮の缶ジュースの詰め合わせ
缶なのに匂い?と思いながらも訂正しつつ説明する
重いし髑髏が居ないからと言って持ち帰りたい代物ではない
言伝て置いていく事にしようと綱吉がそう思ったその瞬間
背筋を汗が伝うような身震いする悪寒が走った

「…っ…骸…?」
「クフフ…やっぱり君には僕がわかるんですね、綱吉くん。」
「…髑髏はどうしたんだよ?」
「眠っていますよ。僕も退屈していたので丁度いい。」

綱吉はそんな骸に、あっそう。とだけ答え持っていた包みを突き出した
髑髏が骸になってしまっているなら仕方ない
持って帰るのも重たいし骸に渡して行こうということらしい

「これ、お歳暮。髑髏に渡しておいて。」
「なんですか?ソレ。」
「日本の行事みたいなもんだよ、母さんが持ってけって。」
「…それで、コレは何ですか?」
「ジュース。」
「骸しゃんっ、開けてもいいれすか?」
「犬、聞いてなかったんですか?綱吉くんは髑髏に持ってきたんですよ?」
「別にいいよ、髑髏にって言うか…皆にだから。髑髏の分は残しておいてあげてよ?」

骸が綱吉からその包みを受け取ったとたん
飛びつく犬をやんわりとたしなめる骸
そんなやり取りを見て綱吉はプイとそっぽを向きながら皆にだとそう告げた
そんな綱吉を見て少し微笑みながら骸はその包みを開け始める

「犬、千種も呼んできてください。」
「えぇ~いいじゃないれすかぁ~…。」
「犬…。」
「はぁ~い、わかりましたよ。呼んできますよ~。」

食い扶持が減っていいと言外に滲ませる犬に骸は静かに名前を呼ぶ
さっきから綱吉が『皆に』と言っているのにこの駄犬は…
とでも言いたげな目線で立ち去る犬を見ながら包装紙を破り箱を開けた

良くあるお歳暮のジュースの詰め合わせ
色々な種類の果汁100%のジュースや野菜ジュースが箱の中に並ぶ
綱吉はその中から野菜ジュースを一つ取り出して骸に渡した

「骸、コレにしなよ。」
「何でですか?」
「不健康そうだから。」

その綱吉の返答に思わず笑いそうになるのを堪える
不健康も何もこの姿すら仮のモノでしかない
確かに、健康と言う言葉とは無縁ではあるのだが

「あれ?…骸様。」
「何ですか、僕が居たら悪いんですか?千種。」
「いいえ、驚いただけです。」
「ジュースっ!!ジュース~っ!!」
「うるさいですよ、犬。」

目的も果たしたし、そろそろ帰ろうと綱吉が思ったその時
ズイっと目の前にジュースの入った箱が突き出された

「綱吉くんもいかがですか?」
「え…俺もいいの?」
「はい、少しゆっくりして行きませんか?」

なんだかこうしていると、骸が普通の人に見える
そんな目の錯覚のような気持ちに陥りながらも
申し出を断る理由もない
どれにしますか?と差し出された箱の中から一つの缶を取り出した

「じゃあ、お言葉に甘えて…コレにする。」
「…パインジュース…ですか?」
「あ、骸もコレがよかった?」
「いえ…どちらかと言うとソレはあまり飲みたくはないですが…。」
「パイン嫌いなの?」

「ってゆーか、共食いになるビョン…。」
「犬、聞こえる…。」

そう犬がボソっと発した言葉は犬の居た場所的に綱吉に聞こえた
綱吉はその犬の言葉を聞いて、あぁ…と骸の頭のてっぺんを見る
幸い骸には聞こえなかったようだ
当の骸は少し目を彷徨わせてから綱吉に聞いた

「綱吉くんは…ソレが好き…なんですか?」
「ん~…好きでも嫌いでもないかな?珍しいじゃん?パインジュースって。」
「そう、ですか…。…じゃあ、パイナップルは好きですか?」

意を決したというような勢いで骸は綱吉にそう訪ねる
犬と千種はそんな骸を哀れむような見守るような表情で見る
内心では「骸様(しゃん)痛いです(れす)。」等と思っていても
そんな本心を隠す統べは当の昔に会得済だ

「生のパイナップルってこと?」
「そうです。」
「ん~…口の中とかピリピリするし、あんまり好きではないかなぁ?缶詰はまだいいけど。」
「そう、…ですか。」

なんだか変な空気に綱吉はジュースの缶をあおるように空けた
そんな綱吉を骸は恍惚とした表情で見る
喉が上下する様に快感を抑えるように自分の身体に腕を回す
そんな骸にはお構いなしに
綱吉は少しゲホッとむせながら空缶をカツンとテーブルに置く

「ありがとう、俺はそろそろ帰るよ。髑髏によろしくね。」

まさに逃げるが勝ちとでも言わんばかりに
早口でそれだけ言うと脱兎の如く走り去った

残された微妙に傷心なナッポー型の頭上から特徴的な怪しげな笑い声
クフフ
クフフフ
クハハハハハ


「骸しゃん不気味だびょん…」
「なんかスイッチ入ったっぽい…」





__________
先日会社に来たお歳暮を皆に配ってくれました。
んで、この話のようなジュース&ビールの詰め合わせもあったんです。
はい、と机に置かれたパインジュースに噴出しそうになったよ。
なんで私にあえてのパイン?って思って(笑)
もっと骸がキモイ感じになる予定だったんですが、抑えました!!







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love Bite 4 (ヒバツナ)


君は帰ってきた
赤ん坊と連れ立って、何事もなかったかのように

ほら、大丈夫
僕は君を見失いはしない

「心配かけてごめんね。」

帰ってきた君は、皆を前にそれだけ言った
そして皆の指にボンゴレリングがない事を目だけで確認して
ホッとしたような寂しそうな顔をした

今まで僕らを「仲間」として繋いでいたのが
ボンゴレリングだったのは確かで
あの頃、ボンゴレリングの為に戦ったからこそ
今の僕たちがある

でも、もういらないよね?
そんな形で縛るような「仲間」関係なんて
だって僕は君が居なくなった時に気が付いたんだ
僕は君の為にココに居るってこと
あの指輪が僕の指から消えても僕はココを離れなかった
君が居なくても僕はココに留まった
それが答え

「獄寺くん、怪我大丈夫だった?ごめんね。君には一番心配かけた。」
「そんな…10代目がご無事ならいいんです。」
「うん、俺は大丈夫。ありがとう。」

嵐の守護者と雨の守護者が彼らを迎えに行く途中
戻ってくる彼らに会ったという
負傷した形跡もない彼ら
嵐の守護者が負傷して帰ってきた事を思えば
若干の違和感を感じずにはいられなかった

「ねぇ…。」
「あ、雲雀さん。…あの、後でお話があるんですが、お時間いただけますか?」
「…わかった、いいよ。」

状況からしてみても
あの子と赤ん坊がミルフィオーレに接触していると見た方が妥当
それなのに、その事に一言も触れない彼らの行動は少し異常にも思えた
嵐の守護者の持ち帰った情報以外の何かを掴んでいてもおかしくないのに
だから、いつもどおりな彼らが僕には一番不自然に見えた

ボンゴレリングがなくても仲間だと言う事に変わりはない
そう言うのなら、何故君は黙ってるの?



「雲雀さん…失礼します。」
「あぁ、あがって。」

僕のアジトに現れたのは君一人だった
何かしらの情報を得ていて、僕達に黙っている何かがあるとすれば
赤ん坊の入れ知恵だと思っていたから
赤ん坊と一緒に現れると思ったんだけど…

「それで?」
「お願いがあります。」
「それは君が彼らに言ってない事?」
「あ、やっぱり雲雀さんに隠し事はできませんね。…そうです。」
「何で彼らに言わないの?」
「それは…その方がいいと思ったからです。」
「それ、君の意見?」

そう僕が言うと、大きな目を見開いてニッコリ笑った
なんでソコで笑うかな…

「そう言う事にしといてください。」
「…ふぅん。いいよ。」
「俺はボスですから。誰かのせいにするつもりはないんです。」
「今後招く混乱について…ってこと?」
「何でもお見通しですね…。」

そう言ってため息をつくと、草壁が出したお茶に手をつける
お茶を飲んでふぅ~と息をついて、僕に目線を戻した君はボスの顔をしていた
普段、この子が人前でボスを装うのは限られた時
それがボンゴレボスとしての僕への言葉なんだとすぐにわかる

真っ直ぐ見つめてくる瞳は強く凛としているけど
僕はそんな君をみると少し寂しくもなる

いつのまに僕たちは大人になっちゃったんだろうね





__________
軌道修正。
いや~放置に放置を重ねているうちに
本誌の流れが私の考えてた流れと違ってきたのでね
ここらで軌道修正しておきます。
ヒバツナで正ツナになる予感です。
いまのところ、考えてたアウトラインがダメになったので
練り直すのでどうなるかはわかりませんが…(ソレ作者の言葉?)

因みに…
ただいま絶賛原稿中です。
1月2月と何か怒涛の発刊予定なので。







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